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円
zero
遠い月
大木の種
静止する振り子
お風呂場の覗き穴
離してしまった風船
ウィスキーのキャップ
どこかの星から見た地球
アルファベットの何番目か
少年が宙に放り上げたボール
上から見た取っ手のないコップ
世界の内部と外部を隔てる境界線
アフリカの女が落としていった装飾品
孤児に差出す手に乗せられた不器用なコイン
ファッションではないゴミを燃やす煙突の先
愛し合う人たちが両手を繋ぎ溶け合った
激しく降る雨の落ちてくる最後の一滴
暗闇とはその周りにしかない通過点
伝えたい心の周りを回り続ける言葉
何万という精子を待ちかまえる卵
固く白い殻に包まれた凝固する愛
白塗りした道化人が開いた片目
ファッションであるリサイクル
物事Aと物事Bを結ぶひらめき
始まりも終わりもない喪失感
風を起こさせる何かの回転
絶望から光へ光から絶望へ
支配しようとする壁時計
旅する相対的なマンダラ
何分後かのリロード
角度を持たない視線
深い深い落とし穴
循環される音
二人の隙間
仕組まれた永遠
私
私
私
あなた
あなた
あなた
あなた
あなた
この輪を投げたのは、誰だ?
この円を書いたのは、誰だ?
世界はこんなにもの円に包まれている、
私もまた、あなたもまた、
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終止符